多様化社会を進める

多様化社会を進めていくことは、個人・個性に対して汎用性を広げていくことだ。個人は世間に対して、世間は個人に対して、その許容範囲を互いに多くしていくことだ。そして今後は、今まで以上に、とくに世間が、個人の持つ個性に対して、理解と寛容そして認知と受容の方向に進むことが望ましい。なぜなら、一般に個人より世間のほうが強いからだ。これからの社会は、より強い側が、より弱い側を尊重していくことが大切だ。世の中には常識がある。常識に反する個性は非難され、ときには裁かれる。これからの社会は、批判は自由だが、非難・抑圧・制裁といったパターンではなく、できるだけ、個性と常識が接近するようになる必要がある。それが社会の進歩である。常識に反する個性で苦しむ人は、少数派であり弱者である。いわゆる少数弱者が生きやすくなればなるほど、その世の中は、少数弱者が生きやすいルールが常識の社会となる。少数派や弱者でさえもが最も生きやすい世の中であれば、そのほかの人々にとっても当然に生きやすい世の中である。それが真の多様化社会である。