特撮偏見ダイアリー(1)

まず「スーパーマン」は特撮か?ー結論をいえば特撮だ。それを特撮でない、といったら嘘になる。だが同時に「スーパーマンは特撮だ」と聞くと、否定はしないが違和感を感じる。
ドラマ「トクサツガガガ」のナレーションでは特撮のことを「特殊な撮影技術によって作られた映像作品」と言っている。その通りだと思う。それに対して、いろいろ理屈や難癖をつけることは出来るとしても、たぶんこの説明は、ひと言で特撮という概念を表現することで最も適切だと思う。
ただし、前記の説明は特撮という基礎概念を正しく表現しているが、しかしそれが実際の特撮からイメージする、いわゆる特撮ヒーロー番組の説明になっているかといえば、それは疑問だ。
最初の問いに戻ろう。「スーパーマンは特撮か?」…僕の感覚では、広い意味ではもちろん特撮だが、しかしそれは普通にいうところの特撮ではない。
理屈っぽい定義はやめて、具体的な作品やシリーズ、キャラなどで例を挙げれば、「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」のようなウルトラ・シリーズ、「仮面ライダー」のシリーズ、「ゴレンジャー」を元祖とする戦隊ヒーロー、シリーズ化したか否かはべつにして、古くは「マグマ大使」、1970年代の初頭に次々と放送された「スペクトルマン」「ミラーマン」「アイアンキング」「ロボット刑事K」「バロム・ワン」「レインボーマン」、キカイダーイナズマンやサナギマン、微妙なところはあるが「がんばれロボコン」や「怪獣ブースカ」もそうなのかもしれない。ただそう言っても、たとえばロボットが出てくるからといって「丸出ダメ夫」が特撮かといえば、やはり違うだろう。
のちに難しい内容や深刻なテーマのものも出てくるだろうしーそのことに対して単純に良し悪しは言わないーそれがどうのこうのではない。ただ概して、一般的に子供向け、とくに幼年期の男の子を対象にして、ロボットや変身、悪の結社とその首領が怪人・怪獣・ロボットなどで人類を害し、それに人造人間なり超能力者なりの正義のヒーローが立ち向かう…そのような物語が「特撮」あるいは「特撮ヒーロー番組」だと…すくなくとも僕はそう認識しているし、自分のなかでは最も素直なイメージだ。
そして、それはそうとして…仲村叶を軸にして、「特撮」というもの、さらには特撮オタク「特オタ」ということを、自分がこれほど考えるこのになるとは思わなかった。